はじめに
C2工学部のともです。今この記事を書いてる時は2023年5月。この時期はデジ研で新入生にLightroomを使った現像のレクチャーで大忙し。この時私は気づきました… 現像のコツは教えているけど、写真を撮るときに頭に入れておかなければいけない要素を全く教えてないやんけ!!!
てことで、この記事を見てもらった写真ビギナーや、今後新入生が初めて写真にチャレンジする際に参考にしてもらうべく(後輩がそのまた後輩に教えるときの参考資料として)いろいろ説明していこう!!!
シリーズ「みんなをトリコにする写真をゲッター!!!」のはじまりはじまり~
写真の明るさってどう決まる?
写真には明るい写真や暗い写真がある。「暗いところで撮れば暗くなるし、明るいところで撮れば明るくなるだろっ!!!」って思ってる人多いと思います。うん、その通り。
しかし、上の写真を見れば分かるように、同じ明るさの写真でも設定を変えると違う明るさで撮れることができる。なぜこのような現象が起きるのだろうか?今回は、写真の明るさを決める3つの要素の内、スマホでも使われている2つの要素を説明していこう。その名も、シャッタースピードとISO感度だ!!!
写真の明るさの要素①:シャッタースピード(SS)
シャッタースピードとは、カメラのシャッターが開いている時間のことだ。シャッターが開いている時間だけカメラの中にあるセンサーが光を受け止める。この時間が長ければ長いほど、明るい写真になるし、短ければ短いほど暗い写真になるのだ。
じゃあ、夜でも明るい写真を撮りたいからと言って、むやみにシャッタースピードを長くすればいいという問題でもないのだ。シャッタースピードを変えたら明るさ以外にどんな変化が生じるかを説明していこう。
シャッタースピードを短くしたとき
シャッタースピードを短くすると、暗くなるだけではなく、シャッターボタンを押した”瞬間”の写真を撮ることができる。どういうことか、実際の写真を見てみよう。
波のところを拡大してみてみると…
波の飛沫が立っているところが瞬間的に捉えられていることがわかる。これが瞬間的な写真を撮れる所以だ。
シャッタースピードを長くしたとき
シャッタースピードを長くすると、明るくなるだけでなく、シャッターが開いている間の”流れのある”写真を撮ることができる。実際にどんな感じになるか見てみよう。
写真の通り、シャッタースピードを長くすると、夜景が光っているところを中心に明るく仕上がるのが分かる。ただ、下部を見てみると、赤や白い線が道路の中を走っているように見える。これは、シャッターが開いている間、車が動いているため車のライトの光をセンサーが受け取る場所が変化していることから起きる。これが”流れのある”写真が撮れる所以だ。
ただ、これは写真を撮った時、スマホの位置が動いていなかったから、ライト以外のところはさほど変化がなかったが、シャッターを押したときカメラが動いたり、被写体が動いたりして自分が思った通りに撮れなかった時がブレとなる。
ブレは一見すると写真にとって失敗作に見えるかもしれないが、ブレを活用することで幻想的で躍動感ある写真を撮ることができる。それがこの写真だ。
「仙台を駆ける新幹線」
もし、この場面を撮ろうとした時、カメラを固定していたら、新幹線がブレて周りの建物はぶれなくなる。この状態を”被写体ブレ“という。しかし、シャッターが開いている間に動いている新幹線に合わせてカメラを動かすと、動いている新幹線がブレずに周りの建物がブレ、新幹線のスピード感が感じられる写真に仕上がる。この撮影方法を”流し撮り”という。
写真の明るさの要素②:ISO感度
どうしても手ブレや被写体ブレを抑えて暗いところで明るい写真を撮りたい!!!って思うことがあるだろう(多分出てくる。)。そんな時に活用するのがISO感度である。ISO感度とはカメラが光をどれだけ増幅するかの値というものだ。下の写真を見てみると、かなり暗い環境でも手ブレせずに明るく撮れているのがわかる。
さっきの説明は何を言ってるのかと思うかもしれないが、簡単に言うとカメラのセンサーはシャッターが開いた間に受け止めた光を電気信号に変えている。その電気信号が大きくなればなるほど明るい写真が出来上がる。電気信号を大きくする方法は2つあって、1つ目はシャッタスピードを長くして物理的にセンサーが受け止める光の量を増やす方法。もう一つは受け止めた電気信号を増幅させる方法だ。どれだけ増幅させるかの度合いを示した値がISO感度である。
すなわちISO感度の値が大きければ大きいほど明るい写真がシャッタースピードが短くても撮れる訳だが、シャッタースピードと同じようにだからと言っていたずらに上げていいものではないのだ。下の2つの写真を見てみよう。
同じような明るさだが、左側がISO64、右側がISO1600で撮った写真だ。どちらも同じ明るさの様に見えるのだが、拡大してみると…
もっと拡大してみると…
お分り頂けたろうか…?右のISO1600で撮った写真の灰色の部分とかが左側のISO64で撮った写真よりもだいぶ滲んでいるように見えるのが…
そう、ISO感度を上げすぎたときの欠点はノイズが出て、きれいな写真に仕上がらなくなるということだ。なぜこのような現象が起きてしまうかは説明するのが少し難しいが、センサーが受けた光を電気信号に変換するときに、必ず誤った情報が発生している。これがノイズ。ISO感度を上げた時に電気信号を増幅すると言ったが、同時にノイズも増幅されてしまうのだ。ノイズが大きくなればなるほどきれいな写真に仕上がるのが難しくなるという訳。
さっき見せた写真も拡大してみるとだいぶ滲んで、ノイズが乗っているのが分かる。
まとめ
ここまで、写真の明るさを決める要素として、シャッタースピードとISO感度の特徴を紹介してみた。写真を撮る際には、この2つのメリット・デメリットを頭に入れてチャレンジしてくれたら、書いた私も幸いだ。