カメラを始めたい、でも、どのカメラを買えばいい?
綺麗な写真に惹かれて、自分もカメラで撮ってみたい、そう思ったあなた!
写真の撮り方よりも先に大きな壁にぶつかっていませんか?
そう!初心者にはどのカメラ買えばいいのか、カメラ以外に何が必要なのか分かりにくいということ。
そんなみなさんのために、今回から「初心者のためのカメラ講義」と題し、C3法学部のS.K.が、写真活動という門の前で立ちすくんでいるみなさんの手を、できる限り優しく引いていこうと思います。
(決して引きずり込もうとはしていませんよ、決して…)
なぜ、カメラを買うのか
写真活動の門をくぐる第一歩は、カメラを買う、ということ。まあ、当然ですよね。
最近のスマホには、画素数だけで語ればカメラに匹敵するものやカメラを超えるものもあります。それでもなおカメラを買うのは、画素数だけでは語りきれない「何か」がそこにあるから。
百聞は一見に如かず、下の写真を見比べてみましょう。左の写真は1200万画素のカメラで撮った写真、右の写真は同じく1200万画素のスマホ(iPhone12)で撮った写真。共にオートモードで撮影してそのままの写真(いわゆる「撮って出し」)。
ほら、「何か」が違うと思いませんか?(若干構図が違うのは許してください…)
感じ方は人それぞれですが、決定的に違う「何か」がそこにある。この違いを自分も感じたい、誰かに伝えたい、そう思う人がカメラを買うのでしょう。さあ、カメラの世界へようこそ…
最初に買うべきカメラって?
カメラと一口に言っても、デジタルかフィルムか、一眼レフかミラーレス一眼か、どのメーカーか、どの年式か、など種類の多さはもはや魔境。ということで、独断と偏見から、選択肢を勝手にギュッと絞らせてもらいます。
みなさん、「主要メーカー」の「ミラーレス一眼」を買いましょう。語りたいことは山ほどありますが、諸々勘案すると、答えはこのようになります。
数年前までは一眼レフが主流でしたが、今や一眼レフを新開発しているメーカーはほぼありません。利便性や性能、将来性等を鑑みると、今買うべきはミラーレス一眼の一択。
また、主要メーカーのカメラを買うことにも理由があります。まず、商品の質が安定しており、初期不良が少ないということ。次に、周囲に使用者が多く、質問できるということ。そして、サポートが充実しているということ。カメラは総じて高価で複雑ですから、購入後の不安が少ないということも、メーカー選びの重要な要素になります。
さて、ここからは、主要メーカー(Canon、Nikon、SONY)の機種の中から、2023年10月現在レンズとのセットで10万円台で購入できるオススメ機種を、メーカーの説明も加えつつ紹介します。
Canon
言わずと知れた最大手メーカー。「EOS R(イオス アール)」シリーズを軸に豊富なラインナップを展開し、初心者からプロまで幅広い層から支持を受けている。基本的に「優等生」なカメラを作っているが、優等生ゆえになんだか物足りないという意見もちらほら。彩度が高く、ポートレート写真家からの支持が篤い印象。また、AF(オートフォーカス)の速度には定評があり、動体撮影にも向いている。私の推しのメーカーで、個人的に持ちやすさはダントツ。私は初めてのカメラとしてEOS RPを購入し、その良さに心酔中。今回はそんなEOS Rシリーズから「EOS R10」と「EOS RP」をご紹介。(若干Canon贔屓するかもですが、悪しからず…)
EOS R10
有効画素数 | センサーサイズ | 重量(バッテリー・SDカード込) | 発売年月 |
2420万画素 | APS-C | 429g | 2022年7月 |
軽量コンパクトな機体でありながら本格的な性能を持つ機種。AF速度や高速連写も上位機種に匹敵し、基本性能が優れている。操作系が右手側に集約され、撮影中の設定も容易。ちなみにC2部長の愛機。
EOS RP
有効画素数 | センサーサイズ | 重量(バッテリー・SDカード込) | 発売年月 |
2620万画素 | フルサイズ | 485g | 2019年3月 |
10万円台でフルサイズミラーレス一眼を販売するという快挙を成し遂げた機種。軽量コンパクトながら、撮影品質は一眼レフ時代の中級機種にも匹敵するコスパ最強マシン。(すいません、贔屓しすぎですね)2019年に発売された機種であるため、操作性やAF性能などでR10には及ばないものの、やはりフルサイズという魅力から発売以来強い支持を受けている。
Nikon
長年Canonと共に二大カメラメーカーと称されてきたメーカー。耐久性が高く、なんとISSでも使用されているという折り紙つき。AFの精度に定評がある上、被写体の再現性が高く、見たままの写真が撮れるため、風景写真家からの支持が篤い印象。「真面目」なカメラを作っており、エントリー機でもこだわり強く作られている。ミラーレス一眼は「Z(ゼット)」シリーズを展開しており、今回はその中から「Z fc」をご紹介。
Z fc
有効画素数 | センサーサイズ | 重量(バッテリー・SDカード込) | 発売年月 |
2088万画素 | APS-C | 445g | 2021年7月 |
フィルムカメラを思わせるフォルムでありながら中身はミラーレスという、デザイン性と先進性を兼ね備えた機種。Nikon公式HPによると、「Z fc」は「FM2」というフィルムカメラにインスパイアされたデザインで、伝統を受け継ぐカメラを「casual」に使って欲しいという願いが込められているとのこと。基本操作がダイヤル式となっており、撮る楽しみを感じつつカメラの基本を学ぶことができる。また、期間限定でプレミアムエクステリアへの張替サービスを行なっているため、購入を検討している人はお早めに。
SONY
ミラーレス一眼市場のシェア率ではCanonと並ぶメーカー。ミラーレス一眼市場を開拓し、ソフトウェア性能が優秀で、瞳AFに定評がある。「インテリ」なカメラを作っているが、デジタルデバイス感が強く、好みが分かれる。ちなみに、iPhoneのカメラにはSONYの部品が使われている。ミラーレス一眼は「α(アルファ)」シリーズを展開しており、今回はその中から「α6600」をご紹介。
α6600
有効画素数 | センサーサイズ | 重量(バッテリー・SDカード込) | 発売年月 |
2420万画素 | APS-C | 503g | 2019年11月 |
大容量バッテリーやボディ内手ブレ補正を採用したことで、撮影枚数の向上と夜間撮影の安定性を実現。ファインダーが「α」の文字の裏側にあるのだが、ここが好みの分かれるポイント。右手と顔の距離に余裕ができる一方、コンパクトデジカメのような見た目で「一眼カメラ感」が若干薄い(気がする)。また、APS-C機にしては高額なので、もう少し頑張ってフルサイズ機(α7シリーズ等)を買うのもアリ。
カメラはどう買う?
まず大切なのは、必ず実機に触れるということ。カメラは道具なので、さまざまな機種を手に持って比較して、自分に合ったものを選ぶべきでしょう。
また、最初から本体とレンズを別で買うのは避け、ズームレンズとセットで販売されているもの(レンズキット)を買うことをおすすめします。別個で購入するよりも安く購入できますし、何よりレンズを選ぶ手間が省けます。
ちなみに、レンズキットには「ズームレンズキット」と「単焦点レンズキット」があるのですが、最初はズームレンズを使って「撮る楽しみ」を感じるのが良いと思います。時折、「最初のカメラこそ単焦点レンズにするべきだ!」と主張する過激派もいますが、撮る楽しみを失ってしまっては元も子もないので、はじめてのカメラにはズームレンズのキットをオススメします。
また、カメラを買うと「基本的には」バッテリーと充電器、ストラップが付属してくるので、その点はご心配なく。ただ、SDカードなどは付属していないので、この点はご注意。
まとめ
ここまではじめてのカメラ選びについて説明しましたが、最も重要なのは、自分が満足できるカメラを買うこと。今回オススメした4機種以外の機種についても、実機に触れ、比較し、吟味した上で、みなさんのフォトライフを彩る「相棒」を見つけてください!